仕事が遅い、段取りが悪い…と落ち込むあなたへ。元SEが教える「システム思考」で、もう迷わない「問題解決の地図」の描き方
このページを開いたあなたは、きっとこんな風に感じているのではないでしょうか?
「新しい仕事を頼まれたけど、何から手をつけていいか分からない」
「いつも目の前の作業に追われて、全体像が見えなくなってしまう」
「頑張っているのに、なぜか手戻りが多くて時間がかかる」
その気持ち、とてもよく分かります。
実は、かつての私もそうでした。
そして、私がこれまで延べ800人以上の方々を指導してきた中で、未経験からでもクライアントに手放せないと言われる存在になる人と、なぜか作業に追われて疲弊してしまう人との間には、たったひとつの決定的な違いがありました。
それは、特別なスキルや才能ではありません。
「システム思考」という、考え方の「癖」を持っているかどうか?
ただそれだけなのです。
「また難しい横文字?」と思ったあなた、どうか安心してください!
システム思考は一部の天才だけが持つ特別な能力ではありません。
むしろ、あなたが毎日、料理や家事の中で無意識に使っている「考え方の道具」です。
今日は元システムエンジニア(SE)である私が、この「システム思考」という最強の道具について説明します。
誰にでも分かるように、そして明日からすぐに使えるように、ていねいにお話ししていきますね。
目次
そもそも「システム思考」って、一体何?
システム思考とは、一言でいうと「ゴールから逆算して、物事の全体像を捉え、要素を分解し、最適な手順を組み立てる考え方」です。
これだけだと分かりにくいですよね。
もっと身近な例でお話ししましょう。
例えば、あなたが今夜「肉じゃが」を作るとします。
その時にいきなり、まな板の上のじゃがいもを無心で切り始めるなんてことは、しませんよね?
おそらく、頭の中では無意識にこんなことを考えているはずです。
「肉じゃが」を作る時にやっていること
- ゴール(完成形)の確認:
- 今日の肉じゃがは、どんな味付けにしよう?
(醤油ベース?白だし?) - 何人分作るんだろう?
(4人家族だから、このくらいの量かな) - 何時までに完成させたい?
(夫が19時に帰ってくるから、それまでに)
- 今日の肉じゃがは、どんな味付けにしよう?
- 必要な要素の分解(材料と道具):
- 材料は、じゃがいも、人参、玉ねぎ、お肉、しらたき。
あ、しらたきが無いから買ってこないと! - 調味料は、醤油、みりん、お酒、砂糖。全部あるかな?
- 道具は、包丁、まな板、ピーラー、あと、お鍋。
- 材料は、じゃがいも、人参、玉ねぎ、お肉、しらたき。
- 最適な手順の組み立て:
- まずはお米を研いで炊飯器のスイッチを入れよう。
- 次に野菜を切って、煮込んでいる間に、別のおかず(お味噌汁とか)を作れば効率がいいな。
- 煮込み時間は20分くらいだから、18時40分には火にかけよう。
どうでしょう?
これがまさに「システム思考」です。
ゴールを決め、必要なパーツ(要素)を洗い出し、効率的な順番(手順)に並べ替える。
あなたも、普段から当たり前にやっていることだと思いませんか?
オンライン秘書のお仕事も、これと全く同じです。
新しいプロジェクトや、クライアントから丸投げされた複雑そうな業務も「壮大な肉じゃが作り」だと思えば、少しは気が楽になりませんか?
なぜ今、オンライン秘書に「システム思考」が必要なのか?
「でも、言われたことを正確にこなすのが、オンライン秘書の仕事でしょ?」
そう思う方もいるかもしれません。
もちろん、それも大切なスキルです。
ですがそれだけでは、いつまで経っても「時給で働く作業員」から抜け出すことはできません。
クライアントが本当に求めている、高単価で「あなたにお願いしたい」と名指しされるオンライン秘書です。
彼女たちは、単なる作業代行者ではありません。
クライアントのビジネス全体を理解し、混沌とした状況を整理して、「次に何をすべきか」という道筋(=地図)を示せるパートナーなのです。
会社員時代の私がSEとして担当していたのは、お客様と直接やり取りする部署ではなく、すでに稼働しているシステムの「守り手」でした。
そこでは、「なんだか、このシステムの動きが時々おかしくなるんです」といった、原因不明の報告が日常茶飯事でした。
この時、価値を発揮するのがシステム思考です。
目に見える現象だけを追いかけても、本当の問題にはたどり着けません。
システム全体の設計図を頭に入れ、データの流れを追い、どの部分が影響し合っているのかをひとつずつ切り分けていく。
まるで、絡まった糸を解きほぐすような作業です。
そして、「原因はここだ!」と、全く別のプログラムに潜んでいた、たった一行の間違いを見つけ出した時。
お客様が本当に解決したかったのは「動きがおかしい」という表面的な問題ではなく、「安心して業務を続けたい」という根源的な願いなのだと気づきました。
この経験こそが、私の仕事の原点です。
そして、この経験があるからこそ、私は断言できます。
事務職の経験がなくても、この思考法さえ身につければ、どんな仕事でもプロフェッショナルとして成果を出すことができます。
そして、これはクライアントにとって、かけがえのない価値になるのです。
誰でもできる!問題解決の地図を描く、シンプルな3ステップ
では、具体的にどうすれば、この「地図」を描けるようになるのでしょうか?
難しく考える必要はありません。
たった3つのステップを意識するだけです。
STEP 1: ゴール(完成形)をとことん明確にする
クライアントから「この資料、作っておいて」と頼まれた時、すぐにCanvaやパワポを開いてはいけません。
まずやるべきなのは、徹底的に「ゴール」を確認する作業です。
お仕事の「ゴール」を構成する要素
- 誰が:(例:社長が)
- いつ、どこで:(例:来週の月曜、役員会議で)
- 誰に対して:(例:役員たちに)
- 何を伝えるための資料なのか?
(例:新商品の売上目標達成を報告し、追加予算の承認を得るため) - その結果、相手にはどうなってほしいのか?
(例:「素晴らしい!ぜひ予算をつけよう」と納得してほしい)
ここまで聞き出すことができれば、あなたが作るべき資料のイメージが全く変わってきますよね。
単にグラフを並べるだけでなく、「役員の方々は細かい数字より、費用対効果を知りたいはずだから、結論を先に示そう」といった、一歩踏み込んだ提案も可能になります。
STEP 2: ゴールまでの道を「分解」して、小さなパーツにする
ゴールが明確になったら、そこに至るまでに必要な作業(タスク)を、「これ以上分けられない」というくらいまで細かく分解します。
「資料作成」という大きなタスクも、分解すると、
- 売上データを入手する
- データをExcelで集計・グラフ化する
- 全体の構成(目次)を考える
- 各ページのスライドを作成する
- 誤字- 脱字をチェックする
- クライアントに提出して、フィードバックをもらう
- 修正する
というように、たくさんの小さなパーツに分けることができます。
大きなプロジェクトだと思うと気が重くなりますが、こうやってひとつひとつのパーツに分解すると、「これならできそう」という気がしてきませんか?
これが、仕事をスイスイと前に進めるための大きなコツです。
STEP 3: パーツを「正しい順番」に並べ直す
最後に、分解したパーツを最も効率的な順番に並べ替えます。
先ほどの例で言えば、いきなりスライドを作り始めても、後からデータが間違っていることが分かれば、最初からやり直しですよね。
正しい順番は、こうなります。
資料作成「正しい」作成手順
- 売上データを入手する
- 全体の構成(目次)を考える ← ここが重要!
- クライアントに構成案を提出して、方向性の合意を得る
- データをExcelで集計・グラフ化する
- 各ページのスライドを作成する
- クライアントに下書きを提出して、フィードバックをもらう
- 修正する
- 誤字脱字をチェックする
このように、いきなり手を動かすのではなく、まず「設計図(構成案)」を書いてクライアントと合意を取る、という一手間を加えるだけで、後の手戻りを劇的に減らすことができるのです。
「問題解決の地図」を手に入れて、自信を持って仕事に取り組もう!
いかがでしたでしょうか。
システム思考とは、行き当たりばったりの努力から卒業し、どんな仕事にも自信を持って取り組むための「問題解決の地図」を手に入れることです。
この地図さえあれば、
たとえ未経験の仕事を任されても、
最初に与えられたクライアントの指示が曖昧でも、
もうあなたは迷うことはありません!
「まず、ゴールは何ですか?」
「この作業は、これらのパーツに分解できますね」
「この順番で進めるのが、一番効率的だと思いますがいかがでしょう?」
こうしてクライアントを導くことができる、頼れるパートナーへと変わっていけるのです。
もちろん、こうした思考法は、一朝一夕で身につくものではないかもしれません。
何度も実践し、時には失敗しながら、少しずつ自分のものにしていくものです。
もし、あなたが「一人で実践するのは難しそう」「もっと深く学んで、本気で自分を変えたい」と感じているのでしたら、私にはそのお手伝いができます!
「オンライン秘書のミライ塾」では、このような事業主としての本質的な思考法を、1年間かけてじっくりと、あなた個人の特性に合わせてお伝えしています。
まずは、あなただけの「強み」という現在地を知ることから始めてみませんか?
あなただけの「問題解決の地図」を描くための第一歩を、一緒に踏み出せると嬉しいです。

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